歴史から見える不思議な鏡の世界と進化した未来とは?

自分の顔を見るために必要不可欠な鏡。そんな鏡はいつから存在していたのでしょうか?

鏡がどのように誕生し、どんな歴史をたどってきたのか。歴史を紐解くと、いくつかの意外な事実が判明しました。

当たり前に使用しているのに不思議な鏡のことを、日本の歴史を含めてこの機会に確認してみましょう。

さらに鏡の進化と未来についても、一緒に考えてみてください。

鏡はどうやって生まれたのか

古代の人々にも、自分の姿を見たいという欲求はありました。水面に写る姿を確認するものの、それはひどく不鮮明なもの。そのため黒曜石や青銅を美しく磨き上げ、姿を反射させて映したのが鏡の始まりと言われています。

現在確認されているもっとも古い歴史を持つ鏡は、エジプトで発見された銅から作られたものです。手鏡のような形をした銅を磨き、姿を映していたことが分かっています。

やがてガラスが登場することにより、イタリアのベニスにてガラス製の鏡が誕生しました。

ガラスの上に箔をおき、そのうえに水銀をのせて1ヵ月かけて密着させるというもの。非常に時間と手間のかかる方法ですが、反射に優れた鏡が誕生したのです。

いっぽうドイツでは銅鏡技術を磨き、改良を加えた製鏡技術の発展によって、現在の鏡が大量に製造されるようになりました。

19世紀より材料や製法を変えつつも、鏡の基本的な作り方は今でも変わっていません。

日本の歴史に鏡が登場したのはいつ?

日本には紀元前後に中国を経て、銅で作られた鏡が伝わってきました。邪馬台国の女王卑弥呼に魏の王より銅鏡を贈られたことが、古い書物にて確認されています。

日本最古の鏡は古墳時代のものが発掘され、「和鏡」と呼ばれています。

後に自国でもその手法を真似して作るようになり、中国にも負けない技術が磨かれるようになりました。

日本の鏡は神聖な道具だった

日本では鏡は姿を映すための生活用品ではなく、祭事に使用する神聖な道具として扱われてきました。

現在でも日本の歴代天皇が継承してきた三種の神器のひとつとして扱われ、ご神体として鏡を祭る神社も多くあります。

三種の神器のひとつ、八咫鏡(やたのかがみ)は、天の岩戸に隠れた天照大神を表に引き出した際に使われたことでも知られています。

鏡は神話にも登場するほど、古く神秘的なアイテムとして扱われてきたのでしょう。

後の江戸時代では、隠れキリシタンが十字架やマリアなどの姿を鏡の中に隠し、こっそりと姿を浮かび上がらせてあがめてきた歴史があります。

  • 現代にも残る鏡を使った行事

日本人にとって鏡は身近なものでありつつも、不思議な力を秘めたアイテムだったのでしょう。

現在でも鏡を祭る行事は身近にあります。

それはお正月。「鏡餅」や「鏡開き」という言葉を知らない日本人はいませんよね。

古来の銅鏡と形が似ている丸い餅を神事に使ってきた歴史が引き継がれ、日本の年中行事として親しまれるようになりました。

また、鏡が割れると不吉なことがある。鏡の霊力を封じるためにカバーをかけるという説があります。

安全に扱うための作り話といわれていますが、鏡が持つ神秘さによって信憑性が高まり、広く伝えられてきたようです。

鏡は絵画や文学の歴史にも影響を与えた

鏡が神秘的なものであったという歴史は、日本に限ったことではありません。

2つの世界を分けている中間点のレンズという考えか方があり、鏡の向こうにはもう一つのよく似た世界があるとも考えられていました。

たとえばルイス・キャロルの小説「鏡の国のアリス」や、グリム童話の「白雪姫」などが誕生したのも、2つの世界という考え方からインスピレーションを受けたからかもしれません。

姿が映る仕組みはめずらしく、多くのクリエイターの想像力を刺激してきたという歴史があります。

鏡を作る技術が発展していくとともに、不思議な仕組みに想像力を働かせた人も多々いたのでしょう。

18世紀末から19世紀前半に生まれたヨーロッパの絵画にも、鏡はいくつか登場します。鏡は姿を映すだけでなく、絵画や文学の歴史にもおおいに影響を与えてきたのです。

未来の鏡はどう変化する?

鏡の手法は19世紀に確立され、材質やデザインを変えながらも、大きな変化はありません。

ですが、現在でも少しずつ、より便利な鏡が誕生しています。

たとえば、小さな箇所を拡大して確認できる拡大鏡や、鏡そのものにLEDライトを内蔵させて明るく映し出すLED付きミラーなど。

美意識を刺激する鏡が登場し、美容効果やメイクアップのレベルアップに大きく貢献しています。

鏡はより身近に、美しくありたい人々にとってお守りのような、大切なアイテムへと進化を遂げているのかもしれません。

鏡の歴史のまとめ

鏡の歴史はその製法だけでなく、使われてきた歴史をみるとより深みを感じるでしょう。

「姿を見たい」という欲求から生まれた鏡は、美しくありたい人々に欠かせないアイテムとして、新たな歴史を歩み出しています。

ぜひ、進化しつつある鏡もチェックしてみてくださいね。

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